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映画「テイク・ディス・ワルツ」満たされること無き人生を踊ろう

本作主演のミシェル・ウィリアムズが好きで、彼女の出演作は大体チェックしています。中でも2010年「ブルー・バレンタイン」が大好きな作品なのですが、結婚生活の大変さがリアルに描かれていて観ていて辛いと思われた方も多いはず⁈

その翌年に制作されたテイク・ディス・ワルツでまたしても、結婚生活に苦悩する女性を演じています。

そしてそして、2022年に制作されたスピルバーグ監督の自伝映画「フェイブルマンズ」でも…まだ観ていない方の為にここらへんで一旦黙りますね(笑)

こちらでは「テイク・ディス・ワルツを紹介していきたいと思います!

ブロードメディアスタジオ

 

<作品情報>

テイク・ディス・ワルツ

2012年/カナダ/116分

監督 脚本:サラ・ポーリー

キャスト

マーゴ/ミシェル・ウィリアムズ

ルー/セス・ローゲン

ダニエル/ルーク・カービー

ジェラルディン/サラ・シルヴァーマン

youtu.be

 

<あらすじ>

フリーライターのマーゴ(ミシェル・ウィリアムズ)とチキンのレシピ本を書いているルー(セス・ローゲン)は結婚5年目の夫婦。昔の様な激しい恋愛感情こそ消えていたが、独特の愛情表現をしながら仲良く暮らしていた。しかし、マーゴにはどこか満たされない思いがあった。

マーゴは取材先でダニエルという青年と出会い、帰りの飛行機、タクシーと一緒になったが、最近越してきたという家は偶然にもマーゴの家の向かいだった。

夫とは正反対のタイプのダニエルに運命を感じたマーゴは急速に惹かれていく。

 

 

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※ここからはネタバレが含まれますので未鑑賞の方はご注意下さい。

 

<ネタバレ感想>

セス・ローゲン演じるルーは優しくてユーモアがあって、クマみたいなぽっちゃり体形にも安らぎを感じますし、理想的な旦那さんに見えます。

ミシェル・ウィリアムズ演じるマーゴと一緒にふざけてる姿は仲睦まじい夫婦でとってもお似合いの2人と言った感じです。おしどり夫婦ってやつです。

でも、結局マーゴは情熱的な眼差しで自分を見てくれるダニエルの方へ行ってしまいました。

ルー可哀そう…とか、こんないい旦那のどこが不満なんだ!と腹立たしく思われた方も多いと思いますが、私はマーゴ擁護派です(笑)

それは何故かと言うと、結婚記念日にレストランで食事をしてて無言になっちゃった時の「なんか聞いて。」「もう何でも知ってるから聞くこと無い。」ってやり取りに全てが現われていたというか…30年連れ添った夫婦の会話ならまだ分かりますよ(笑)

マーゴはまだ28歳ですよ?見通し暗くないですか?

知ってるというのは都合の良い言い方で、つまりは知る気が無いってことですよね?

相手を知ろうとする努力って、長く関係を続けていく上で一番大切なことなんじゃないかと、思います。

 

でも、かつてはルーもダニエルと同じような情熱的な眼差しでマーゴを見ていたことでしょう。

それが分かるのは、一緒に暮らし始めたダニエルの目から、かつてのギラついた光は消えていました。そして、ルーから注がれていた様な、我が子を愛おしく見つめるような暖かな視線すら感じられなかったですね。

だから、ルーの元へ戻りたくなってしまったのかもしれません…それは流石に無理ですよね。

「人生なんてどこか物足りないものよ。」

アルコール依存症に苦しむルーの姉がマーゴに言った、作品の中で最も印象に残る言葉です。

私の場合は、それを埋めるために毎日映画を観ているのかもしれません。

 

話自体はめちゃくちゃ現実的なのですが、映像は美しく幻想的です。メリーゴーランドの様な回転系のアトラクションに、ダニエルとマーゴが一緒に乗っているシーンが印象的でした。まさに恋した時の高揚感がバッチリ描かれていたように思います。

 

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その時のBGMがニュー・ウェーブ・グループ、バグルスの1980年「ビデオスターの悲劇」です。歌詞とかは全然本作とは関係ないと思うんですけど(笑)この曲がとても合っていて、80年代設定の映画に使われることも多い曲です。当時、相当ヒットしたのでしょうか?

 

そして、このラストには、かつてダニエルとラブラブ状態で乗っていたこのアトラクションに、マーゴ独りで乗るシーンがありました。さぞや寂しい気持ちで、しゅんとしてライドオンしているのだろうと思いきや、めちゃくちゃ楽しそうな姿!

同じく「ラジオスターの悲劇」が流れる中、その顔は解放感に満ちあふれているように見えました。

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もちろん、タイトルにもなっているこの曲も素敵ですよ!

 

結局この作品で私が感じたことは、自分の満たされない思いを相手のせいにしてはいけない。ということでしょうか。

ラストシーンのマーゴは何か悟りを開いたように見えました(笑)

もし誰かと一緒に居て幸せだと思えないなら、ひとりで居るという選択もありですし、我慢してでもひとりは嫌だと言う人もいると思います。

どちらが正解・不正解という事は全然ないけれど、自分に正直に心の声を聞いてみることは大切なんじゃないかと。

あるブログでこの作品の感想を読んだ時に「マーゴは割り切って性処理だけして、旦那のところへ帰ればよかったんだ。」って…それができれば苦労しないよっ(笑)

 

実は、2022年「フェイブルマンズ」でもミシェル・ウィリアムズセス・ローゲンは再び共演しています!この2人ってお似合いなのかもしれませんね⁈

合わせてご覧頂くと、とーっても面白いので超オススメです。

 

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最後までご覧頂きありがとうございました!