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『ミー・ウィズアウト・ユー』:20歳のミシェル・ウィリアムズが輝く作品!

2001年にミシェル・ウィリアムズ20歳の時に主演した「ミー・ウィズアウト・ユー」という作品なんですが、残念ながら全然人気がないみたいなんです(笑)

検索しても感想とか全然ないですし、Filmarksでも100人位しか観られてないです。

でも実際観てみたら、映像・音楽・物語の三位一体めちゃくちゃ良かったのでこの作品は残さなくっちゃと、必死に書いております!

70年代の少女時代から90年代までを描いているので、ノスタルジックな映像と当時人気だったパンクロックやブリティッシュポップスの選曲が最高です。

1999年のフランシス・コッポラ監督「バージン・スーサイド」に雰囲気が似ているので、二番煎じ的な扱いを受けてしまっているのかもしれませんが、私的には本作の方が好みですし鑑賞した方の評価も高いです!

という訳で、本作の魅力を深堀りさせて頂きたいと思います。

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<作品情報>

「ミー・ウィズアウト・ユー」2001/イギリス/100分

監督:サンドラ・ゴールドバッハ

脚本:サンドラ・ゴールドバッハー/ローレンス・コリアット

キャスト

ホリー/ミシェル・ウィリアムズ

マリーナ/アンナ・フリエル

ナット/オリヴァー・ミルバーン

イザベル/マリアンヌ・ドニクール

ダニエル/カイル・マクラクラン

 

あらすじ

1973年。ホリーとマリーナは隣同士に住む13歳。ユダヤ人のホリーは保守的な家庭環境で「知性は顔より大事」と教えられる。物を書く事が好きで内気な性格。マリーナは派手で美魔女の母親から「チョコは控えて、脚が太くなるから」と外見重視で育てられ早熟で自由奔放。対照的だがいつも一緒の親友。ホリー+マリーナでハリーナと名付け永遠に一緒にいる誓いを立てるほど…

1978年。2人はマリーナの兄ナットの彼女の家で行われるパーティーへ。密かにナットに思いを寄せていたホリーは流れで関係を持ってしまう。その後実家を出る事になったナットはホリー宛のクリスマスカードをマリーナに渡すがそれを破ってしまう。兄は何も言っていなかったと傷心のホリーに嘘をつく。

1982年。フランスへ渡った兄は女優のイザベルという女性と恋に落ちた。とナットからの手紙。複雑な心境のホリー。

同じ大学に進学した2人。ホリーは大学教授のダニエルに惹かれはじめ、お互いタルコフスキーベルイマンが好きと話しも合う。その様子に嫉妬したマリーナはダニエルを誘惑し関係を持つ。そして何も知らないホリーもダニエルと結ばれる。

彼女と別れ傷心のナットが帰郷。ホリーと再会し2人は一夜を共にした。ホリーはダニエルに別れを告げようとダニエルの家へ行くが、仲睦まじいマリーナとダニエルの姿を目撃してしまう。ホリーはショックをうけ号泣する。

そんな中マリーナの母が薬の大量摂取で入院。落ち込むマリーナを慰めるホリー。2人の友情は揺らぎながも壊れることはなかった。

ナットはイザベルと復縁し結婚。ホリーは動揺を隠しきれない様子。

1989年。

それぞれのパートナーを交え久しぶりに集まった席で、マリーナは結婚報告をする。相手はホリーが付き合うはずだったユダヤ人医師のサム。日に何度も電話をかけてくるのに肝心な事を話してくれないと怒るホリー。2人は会えば喧嘩や言い争いするようになっていた。

ナットはホリーの住まいを訪ね、2人は幼い時から気持ちを通じ合わせていたことを再確認する。その間にもマリーナから邪魔するように何度も電話が入り、ホリーのパートナーも帰宅し、ナットは帰ってしまう。

ホリーは環境を変えたくてNYでジャーナリストの仕事をすることにした。妊娠した事で情緒不安定になっているマリーナは、離れて暮らすなんて耐えられないと泣きながらNY行きを反対するが、ホリーは一緒にいるのが耐えられない「私たち離婚しよう」と告げ立ち去る。ホリーを追いかけてきたナットと共にバスに乗る。

2001年。寄り添うナットとホリー、その横にはマリーナ。そして、そこには同じ年頃の少女2人とその弟の3人が楽しそうに庭ではしゃぐ姿があった。

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<感想>

マリーナはことごとくホリーの恋愛を邪魔します。ホリーが恋愛に夢中になることで自分との友情が壊れるのを恐れての事だというのは、分かるのですが…そこまでやるかという…女の友情って執着が強めで怖いですね(笑)そしてホリーは離婚を選択するという。

ミシェル・ウィリアムズが離婚を選択するもうひとつの作品が、男女のキラキラロマンチックな出会いから、結婚後は想像出来ない程憎悪むき出しの、ののしり合いへ落ちていく様が結婚恐怖を呼び起こすでお馴染みの、2010年公開「ブルーバレンタインです(笑)

親友と夫婦という関係性の違いだけで、一緒にいる事で自分がダメになっていくのに耐えきれず離婚を切り出すっていう話の流れも全く一緒で驚きでした。

ただ本作は関係性が泥沼化する前に別れることで、ハッピーエンド⁈ともとれるラストに繋がっているので、鑑賞後の後味は爽やかなものです。

友情も男女関係も賞味期限があるという事なんでしょうか?人間は良くも悪くも変わっていくものですから仕方ないですよね。

キャストも魅力的で、何と言っても20歳のミシェルが可愛い♡はキャリアを重ね大女優の風格漂う女優さんですが、デビュー当時のまだあか抜けていない感じが可愛らしくて、奥手な文学少女のホリー役がぴったりなんです!

あと、2人を弄ぶクズな大学教授役は、ツインピークスの堅物刑事役やデヴィッド・リンチ作品常連のカイル・マクラクランです。そもそも超絶美形俳優なので、こんなイケオジなら女子大生を落とす事など容易いだろうなと…(笑)

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本作はサントラも最高です!

Spotifyには残念ながらサントラやプレイリストも無かったので、作ってみました(笑)

3,4曲はSpotifyにも収録されていない曲があったので、完璧な再現はできなかったのですが、70、80年代にイギリスのヒットチャートを沸かせていたであろうと思われる素晴らしい選曲です!

筆者はザ・クラッシュしか知らなかったのですが、また新たに素敵な曲を知れたのは大収穫でした。良かったら聴いてみて下さいね!

本作はサブスクでの配信(2023年現在)はありませんが、TUTAYAディスカスでDVDレンタルは出来ました!

かなりセンス良い傑作ガールズムービーでしたので、是非オススメです!

ゲオにも本作はあるようなのでよろしければご利用ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!