私も飲食店で働いていた事があるので分かるのですが、お客さんが集中する日や集中する時間帯の忙しさと混乱は凄まじいものがあります。
目の前の仕事をこなすのが精一杯なので、注意力散漫、当然ミスも起こりやすくなります。もう泣きたくなるほどのストレスです…そんなレストランの混乱状況をギュッギュっと濃縮して90分に納めてしまった映画「ボイリング・ポイント/沸騰」をご紹介します!
逃げも隠れも出来ない、NGも出せない、90分の長回しワンカットのライブ感に何故かワクワクしてしまいます。ノー編集、ノーCGというのも凄い!こういう作品て他にないので、とっても新鮮に感じられますよ!
<作品情報>
「ボイリング・ポイント/沸騰」
2021年/イギリス/95分/PG12
監督:フィリップ・バランティーニ
キャスト
スティーブン・グレアム
レイ・パンサキ
ハンナ・ウォルターズ
<あらすじ>
一年で最もにぎわうクリスマス前の金曜日。ロンドンにある高級レストランの料理長アンディは妻子との別居で仕事に身が入らず疲れていた。店の抜き打ち衛生検査が入り、書類の不備やチェック体制の甘さを指摘され、評価レベルを落としてしまう。
そんな中、開店時間を迎えキッチンも慌ただしくなってきた。予約一杯、満席の店内でスタッフは混乱を極めていた。そんな中アンディのライバルシェフ・アリステアが有名なグルメ評論家を引き連れて来店。更に脅迫まがいの取引を持ち掛けられ困惑するアンディ。店のスタッフやアンディは波乱に満ちた一日を乗り切ることはできるのだろうか?
<感想>
一見、ドキュメンタリーかな?と思ってしまうリアルで臨場感溢れる映像なのですが、かなり意地悪な脚本が用意されていましたね(笑)
フォロワー数3万だからとイキってメニューにない無理な注文を強要するインフルエンサーの客とか腹立ちましたね。メニューにないステーキの写真をUPしたって余り店にメリットないですよね?(笑)
かなり即興での演技も入っていたようですから、きっとお怒りの演技では無く素だった事でしょう(笑)
観た人の感想の中には、「おいしそうな料理が見たかった。」「料理の手さばきが見たかった。」という意見をチラホラ目にしました。
90分のワンカット長回しの作品で、俳優さん達にそれを求めるのは厳しいかもしれませんね。舞台はレストランですがタイトルは「沸騰」ですから、この作品にグルメを求める方にはお勧めできません。
本作は「お仕事パニックムービー」ですね(笑)
「料理を作って提供する事」に付随してくる仕事や気にかけなければいけない事の余りの多さに驚かされます。
衛生管理、食材の仕入れ、売上や人件費も経営する上では考えなければいけませんし、中でもアレルギーの有無は命に関わることなので慎重に対応しなければいけません。
お客さんが店員にアレルギーの有無を伝えていたにも関わらず、ミスが起きてしまったらもうその店はアウトです!そして、このレストランでもナッツアレルギーの客にナッツの入った料理を提供してしまいます。
このアレルギーの件だけでなくこの日に起きたアクシデントのほとんどが料理長アンディのミスという、救いようのない事実。
最初はミスをしたスタッフに当たり散らすんですけど、ミスが起こった原因を探すとアンディなんですよ(笑)
そもそも疲れ切ってるアンディなのですがそこへ、どんどん心労が積み重なっていくように描かれているのがラストでガツンと効いてました。
超ハードだった1日がついに沸点を越えてしまった様なラストまで見どころ満載な作品でした!
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最後までご覧頂きありがとうございました!